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Piano in the Park 2009

posted Posted:'09.08.26 (Wed)

[スケジュール]2009/8/17-21

Piano in the Park 8/17から21までの5日間、ブライアント・パークの「ピアノ・イン・ザ・パーク」シリーズで演奏しました。とにかくこの1週間NYは暑かったです。体感気温38度ぐらいだったらしいです。なんで私の弾く週に限ってこんなに暑くなるのよ〜と何度思った事か。これも天から与えられた運命でしょうか(笑)。

月曜日:初日からペダルが壊れていてキビシいスタート。
「今週中には新しいのを付けられると思う。」とスタッフ。「え?明日までじゃないの?」と思わず聞いてしまう。
「それは約束できない」と。
そんなぁ、手の小さい私にとってペダルなしのソロはきついわ〜。でもやるしかないですね。
一番前で最後までパラソルなしで優しいまなざしで聴いてくれたおじさん、ありがとう!




火曜日:新しいペダルが来た。ひと安心。When Lights Are Lowをリクエストされる。
「去年弾いてたでしょ。」って、スパニッシュなまりのおじいさん。去年弾いたの覚えててくれて、また来てくれたんだ。じ〜ん。嬉しい。
また終わってから背後から拍手してくれていた黒人のおばあちゃん達から「ケーキ食べる?」と一皿もらう。誰かの誕生パーティでもしていたみたい。
お決まりのにんじんケーキだけど、これはさすがに嬉しくておいしかった!


水曜日:5日間のなか日。もうまるで座禅の修行週間のような気分。
疲れが出て来た。体が重い。まず娘をママ友宅に預けるだけでもう汗だく〜。
こんなんで弾けるのか?って思ったほどキツかったけど、けっこう人間ってやれるもんですね。
指が勝手に動いてくれた、というような感覚でした。ありがたいものです。



木曜日:仕事前にパンでもかぶりついていこうと寄った日系パン屋さんで、なつかしい友達にバッタリ。いまから聴きに行くところよって。
かわいい双子ちゃんを連れて来てくれた。嬉しい。これまでスタンダード中心に弾いてきたけど、モンクのブルースを弾いてみた。
もう今朝はいろいろごたごたして仕事ギリギリになっちゃってさぁ、なんでこうなるの、みたいにブルース歌うように弾いたら、黒人のお兄ちゃんにうけた。通じたのかしら。
終わりにローランド先生のCentury Ragを弾く。
「今の曲なに?誰の曲?」って一番前にいた人がいきなり立ち上がった。嬉しいな〜。なんだか私の使命を果たした様な気分。
ローランド先生、天国で聴いてくれましたか? 黒人女性がやってきて、「イイ・オンガク・デシタ」と日本語で話してくれた。


金曜日:もう暑さピークでくらくら・・。
「センチメンタル・ムード」を弾いたら、そばに来てじっと聴く女性がいて、終わったあとに「それ映画の中で使われてなかった?」と聞かれたんだけど、
「いや知らないけど、エリントンのIn a Sentimental Moodです。」って答えた。嬉しそうにありがとうって去って行った。
最後だからまたCentury Ragやっちゃおうかって弾いたら、ずっとスタンダードを楽しそうに聴いていたおばさんがやってきて、「あなたのピアノ好きよ。ところで今の曲何?」ってまた聞かれた。
ローランド先生ってやっぱり偉大だなって思った。みなが興味持つんですよ。
ぐったりしてエンディング・テーマ終わったら、先輩ピアニストの三上クニ氏が「おつかれさま。」とやってきた。(ヤバイ。聴かれてしまった。)
「暑いねえ〜、俺の時はこんなに暑くなかったよ〜」。クニさんにはNYに来た当初からお世話になっていますが、今では親子教室で会うようになりました(笑)。

1週間やってみて感じたのは、オーディエンスの反応はシビアだということ。
明らかに反応がその曲ごとに違うんですね。また人と音楽のかかわりっていいなってあらためて思いました。ああ,あの時に流れてたっていいう感覚、いいですよね。
懐かしいなぁ、その瞬間に戻ったりして。そんな風に音楽を通してその人の人生に関わっていくっていうの悪くないなって思いました。まだまだ練習の足りなさ、未熟さも身にしみました〜。
この気持ちを忘れずに(ホントに?)またがんばろうと思います。ベビーシッターをしてくれた国府弘子先生のお弟子さんにも感謝です。暑い中どうもありがとう!

あの暑さは何だったんだと思うぐらい、今週はずいぶんと涼しく過ごしやすくなりました。
ピアノ・イン・ザ・パークとともに、2009年夏の終わりを感じました。